Crown・Ling
―――――聖夜の誓い
銀色に輝く月
黄金の星
そして
あなた
目に映るもの、全てが輝いているように見える。聖夜の夜が来る。
「本当に・・・綺麗・・・」
さっきから何回も口にしてしまう言葉。だってこれ以外に言いようがないくらい綺麗なんだもの。
「だろ!だろ!!リンドブルムのクリスマスはガイア一綺麗だって言われてるんだぜ!!」
本当に綺麗。
リンドブルムには何時もどこからかオイルの匂いが漂ってくる。エアキャブのオイルだと思う。
そのオイルの匂いでさえ、今日はなんだか気分がよくなる気がする。
あちこちに光り輝く小さな電球が飾ってあって。中には七色に輝く魔法灯のようなものもある。
家々のドアには緑色の小さなリースが飾ってあって、様々な装飾が施されている。
空を見上げると壁から壁へ、橋のようにオーナメントを吊り下げたリボンが架けてある。
―――――12月24日―――――
一年に一度の、聖夜の日。
正確には今日はその前日、23日のお昼前。
「いやぁ〜。前からダガーには見せたかったんだけど、色々忙しそうだったからいい出せなくてさ・・・ごめんな」
「ううん。いいの。今日連れて来てくれただけでもすごく嬉しいわ。ありがとう!」
白い息が目の前に吐き出される。いつの間にか鼻の頭が真っ赤になっている。もちろん彼も。
頬までリンゴのように赤くなっているのが分かる。外はこんなに寒いのに、心はとても温かい。
「毎年な、リンドブルムのクリスマスは盛大に行われるんだ。ダガーが一度も見に来た事がないって言うのは意外だったな」
「だってアレクサンドリアのクリスマスが一番だって信じてたから・・・もちろん、今だってアレクサンドリアが一番よ?」
彼があははっと、声を出して笑う。調子のいい声でだなっ!っと呟く。
思わず顔が綻んだ。微笑んだ瞬間、冷たい風がジンと体に沁みてくる。
「ふぁ・・・っ・・・はっくしゅっ」
思わずくしゃみが出てしまった。慌てて顔を背ける。彼が驚いてこちらを凝視してくる。
「・・・・・・・・・・・・見ちゃダメ」
真っ赤な鼻にティッシュを当てる。チーンッと恥ずかしい音を立ててしまった。
その間、彼は次から次へと視界に現れるショップを見ていた。
「もう・・・いいよ」
そういいながらも顔を俯かせる。更に鼻が真っ赤になってしまった。今の顔は、さぞ情けない事だろう。
と、左手に暖かい温もりを感じてパッと振り返る。
「へっへ〜!こう言うときは」
悪戯っぽい顔をこちらに見せたと思ったら左手を自分の手と一緒にコートに突っ込んだ。
「・・・ぇぇ!?」
「こーするんだぜ!」
無理矢理突っ込まれた左手が熱を取り戻していくのが分かる。重ね合わされた彼の手から、気持ちのよい温もりが体を温める。
「あったかいだろ」
自信満々に、子供のような笑顔を見せる彼が、愛しくて、愛しくて。
この手を離したくないと、今日だけで何度目かの願いを心の中で唱える。
きゅ、と握ると、彼もぎゅっと握り返してくれた。
「ほら、あそこにある大きなツリーがガイアで2番目に大きいクリスマスツリー!」
興奮した声で彼が叫ぶ。伸ばした指の先には、巨大な樹が広場の真ん中に立っていた。
広場を埋め尽くすほどの人達がツリーの周りに集まっている。
真下まで来ると、首を曲げなければ上まで見えないほど大きなツリーだと分かった。
瞳に、絶え間なくキラキラとツリーの輝きが届いてくる・・・。
いままで、こんなに綺麗なツリーを見たことがなかった。
オーナメントは、全て魔法で装飾されていて、クリスタルのように、空のように揺れながら輝いている。
所々に小さな箱―――――プレゼント様なもの―――――が吊るされている。
それは本当に何かが入っているらしくて、子供達がはしゃぎながら我先にと箱に手を伸ばしている。
小さなキャンディや砂糖菓子がいくつも袋に入って、箱と同じように風に揺られている。
天辺には煌々と輝く星のオーナメント。小さいのに、広場全体を照らしている。
「・・・・・・・・・・・・綺麗・・・・・・・・・・・・」
いつの間にか、口から言葉が零れていた。ハッとして彼を見ると、満足そうにこちらを真っ直ぐに見つめて微笑んでいる。
「このツリーのオーナメントの光はさ」
ツリーに目線を戻したかと思うと、突然静かな口調で喋り始めた。
何を想っているのか分からない、深い、深い翠がかかった蒼い瞳。
「ガイアの・・・・・・一人一人の命の輝きなんだってさ・・・・・・」
「命の・・・輝き・・・・・・」
もう一度、ツリーを見上げる。さっきよりも一段と輝いているようだった。
「・・・・・・私の輝きも・・・あるのかな」
ポツリ、と誰に言うでもなく呟く。自分でも驚くほど小さく、冷静な声だった。
心はこんなにもドキドキと、強い鼓動が聞こえてくるのに。
「あるさ。ダガーのも」
優しい声が降って来る。明日の夜は、月がよく見えたら嬉しい。
ゴロゴロとトランクを引き摺りながら階段を上る。
まったく、なんで城の階段はこんなに長いのか。
少しの文句を心の中で吐く。・・・慣れていないので、上手い文句が見つからない。
シドおじ様が用意してくれた客室―――――王族専用の一人で使うには広すぎる部屋―――――のドアを開ける。
昔からリンドブルムには来ていたけれど、クリスマスに来たのはやっぱり初めて。
リンドブルムのクリスマスに負けないくらい綺麗なクリスマスを、アレクサンドリアでも催したい。
そう心に誓う。後で装飾の仕方をおじ様に聞こう。
ふと、窓辺を見やると、夕日の赤い光の中の城下町が一望できた。思わず歓喜の声を上げる。
「わぁっ!綺麗!!」
さっきのツリーに比べると少し劣るけれど、ここの景色はいつまでも変わらない美しさで私を迎えてくれる。
見慣れた風景。見慣れた部屋。見慣れた・・・
「ダガー?」
「きゃあっ!」
いきなり彼の顔が景色の間に割り込んでくる。深い翠蒼の瞳に夕日が炎のような輝きを放って映っている。
「あはは。ごめん」
「・・・・・・もうっ」
差し伸べられた手を取り腰を上げる。・・・・・・尻餅をついちゃうほど驚いていたんだ・・・。
「変わらねぇな、ここの景色は」
「そう・・・ね」
遥かむこうの地平線から、藍色の夜が迫ってきている。といっても、まだ線のようにしか見えないのだけれど。
「なあ、ダガー。ちょーっと悪いんだけど・・・・・・」
「なに、ジタン?」
「ちょーっと外出しないといけねぇんだ・・・・・・なるべく夜明けまでには帰ってくるようにするから・・・行って来てもいいか?」
え・・・・・・。
「えーと・・・あーと・・・うん。いいよ」
私の、嘘吐き。
「やった!サンキュ!!」
そう言うなり、彼は部屋を飛び出していってしまった。
・・・・・・私の・・・・・・嘘吐き・・・・・・。
近くのイスに腰をかける。キイ、と軋んだ。
あんなに喜んで、どこへ行くんだろう・・・・・・。
少し前から、彼とは約束してたはずなのに。彼が誘ってくれたのに。
ヒュオ・・・・・・
冷たい風が部屋に流れ込んできた。ハッと外を見渡すと、いつの間にかオレンジ色の空は、藍色を通り越して今日初の闇を迎え入れようとしている。
「・・・・・・・・・・・・」
隣に、彼が居ない。
こんな夜は思い出す。あの日々の事を―――――
―――――毎日空に、星に、月に祈った。彼を、帰してください。
私が愛した彼を。私の愛しい彼を。
誰も教えてくれない。誰一人。
泣いてすごしたあの日々。長かったからこそ、想うの。
貴方が隣にいる幸せ。貴方が隣にいる喜び。
だから、怖いの。
これが夢なんじゃないかって。起きたら、貴方は隣にいなくて。
だから、いつまでも手を離したくないの―――――
「・・・・・・ん・・・・・・」
寒い。凍えそう。
「・・・あれ」
窓が開けっ放しだった。・・・・・・あのまま寝ちゃったんだ。
「ふぁ・・・・・・」
今日はもう寝よう。体が冷たくなってしまった。
窓を閉めて、カーテンも閉める。カーテンの下方から、僅かに月の光が漏れている。
・・・朝起きたら・・・彼がいるよね。
そう信じて。信じたくて。名残惜しく重い瞼を閉じた。
チュン・・・・・・チュン・・・
「ん・・・・・・?」
朝・・・。寝ぼけ眼で部屋を見回す。
「あれ・・・・・・」
いるはずの彼が居ない。
どうして?
重い体をベッドから起こす。ブランケットが肌蹴て、部屋の冷え切った空気が身にしみる。
「ジタン・・・?」
とりあえず、着替えよう。もしかしたら、シドおじ様に用があって、出ているのかもしれない。
白いワンピースの上に、真っ白のファーがついたダッフルコートを羽織る。
ガチャ
「たっだいまーーーーーーーーーーー!」
ドアに手をかけようとした瞬間、満面の笑みのジタンが現れた。
「お、お帰りなさい・・・」
「いやぁ〜。ダガー、ごめんなぁ。夜明け前どころか昼になっちまったよ!」
・・・・・・・・・え?
「可愛い女の子達につかまっちゃってさ。俺」
ジタンの言葉が止まる。どうしたの?と聞こうとしたのに声が出ない。
ふと、頬に暖かいものが流れているのに気がついた。
涙
「ごっ・・・ごめん、ダガー。本当にごめん」
慌てたように彼がいう。
うんいいよ。
って言いたいのに。
「・・・・・・約束したのに・・・・・・」
口からこぼれたのは静かだけれど、怒りと悲しみをこめた言葉。
「約束したのに・・・・・・夜明けまで帰ってくるって・・・・・・」
「だ、ダガー・・・」
「本当は・・・・・・昨日だって行ってほしくなかった・・・だって・・・・・・」
ダメ。こんなの本心じゃない。
私の
嘘吐き。
「私、ジタンと一緒にいられるの、楽しみにしてたんだからっ!!」
嘘吐き。嘘吐き。
にこって笑って、何でもないよって言うの。冗談だよって。
彼は、きっと困ったような笑顔を浮かべながら、もう一度謝ってから、隣にいてくれる。
早く、言わなくちゃ。
言葉より、先に出たのは脚だった。
何処だか、分からない。
何処から来たのかさえも、分からない。
「っはぁ・・・はぁ・・・」
さっきから、なんでこんなに一心に走っているんだろう。涙がぼろぼろとこぼれている。
如何して?
・・・・・・・・・ああ、そうだ。私は嘘吐きだったんだ。
本当は、彼に行ってほしくなかったんだ。あの言葉は、本心だったんだ。
女の子。昔の彼なら、よくあることだった。・・・・・・今でもよくあるけれど。
ふと、すぐ目の前に白いベンチがあることに気がついた。走るのも疲れてきたので腰をかける。
ひんやりとしていて、服の上からでも感じられた。
遥か下方のほうに、昨日見た巨大なツリーが、昼の光の中で輝いている。
・・・・・・・・・朝だと思っていたけれど、もう昼なんだ・・・・・・寝すぎちゃった・・・・・・。
そう思うと、更にむかむかしてくる。
夜明けまでって言ったのに。朝帰りどころか昼帰りだなんて・・・・・・
沸々と湧き上がる怒りの矛先は何処にも向けられず、しぼんで消えるだけに終わった。
矛先は彼に向けられるはずなのに。
どうしてそうできないのか、自分でも分かっている。
嫉妬
我ながら、こんなにも子供っぽいとは。もう少し大人だと思っていた。
彼は皆から慕われて、人気があって、それでいて付き合いが良くて。
それで・・・それで・・・・・・。
何でも一人で抱え込む。
あのときの冒険の日々だってそうだった。一人で抱え込んで、彼は自分で自分の首を絞めていた。
ガイアとは違う惑星のテラで、彼を助けたくて一心不乱に走った。守られてばかりで、頼ってばかりで何も出来なかったから。
初めて、彼の役に立てたとき。あのときの嬉しさと、彼の微笑みは今でも記憶にくっきりと残っている。
これまでが長かったからこそ、彼が愛しくて仕方がない。
だから嫉妬してもしょうがな―――――
「・・・・・・・・・・・・言い訳になんかならないよ・・・・・・・・・・・・」
いくら彼を想っていても、嫉妬の言い訳になんかならない。
人間の感情の中で最も醜い感情が芽生えてしまっている。
「私って・・・・・・・・・醜い女だったんだね・・・・・・・・・」
姫として、昔から気をつけていたのに。やっぱり、ダメだったのかな。
ただ昼に帰ってきたというだけであそこまで怒って。心まで狭いのかもしれない。
「・・・・・・・・・はぁ・・・・・・・・・」
意味もなく膝に肘をのせて、城下町の巨大なツリーを見つめた。
キラキラ、ピカピカ。キラキラ、ピカピカ。
子供の頃、見ても見ても飽きなかったツリー。
そんなに大きくはなかったけれど、私にはそのツリーが一番だった。
キラキラ、ピカピカ。キラキラ、ピカピカ。
あのときより、遥かにサイズが大きいツリーを眺め続けて、どれくらい経っただろう。
三年ぐらい見つめていた気もするけれど。実際には九時間ぐらいしか経ってないはずなのに。
ここのクリスマスツリーも、いくら眺めていても飽きない。
それだけの理由で九時間も眺められたわけではないけれど・・・・・・・・・。
ぽつぽつと灯り始めた街灯と共に、城下町の人気は少しだけ少なくなる。
それでもまだまだ賑やかだ。私も楽しみたかった。
闇が近づくにつれて、街灯もついたけれどツリーのオーナメントも輝き始めた。
微かだけれど、オーナメントは輝きを増していっている。
そんなことに気がついているのは、九時間もツリーを眺めていた私だけだろう。
「・・・・・・・・・さむ・・・・・・・・・」
さすがに馬鹿馬鹿しくなってきちゃった。あれからジタンは探しに来てくれないし、ベンチは冷たいわ空気は体に染みるわでいい事なんて一つもない。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
それでも、今は帰りたくない。
「・・・・・・・・・・・・冷たっ・・・・・・・・・!?」
突然、鼻の頭に今までとは違う冷たさを感じた。
びっくりして鼻を触る。と、
「・・・・・・・・・水?」
違った。雪だ。
漆黒に染まった天空から、白いクリスタルのようなものが舞い降りてくる。
「・・・えっ・・・・・・なんでこっちの大陸に・・・・・・・・・・?」
霧の大陸には、殆ど雪は降らない。降ったとすれば、異常気象か何かが起こっているときだけれど・・・・・・
そんなニュースは耳にしていない。
「・・・・・・・・・すごく・・・・・・綺麗・・・・・・」
昨日とあわせて何回目だろうか。さすがにくどくなってきているかと思ったが、そうでもなかった。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
あまりの美しさに、思わず手を伸ばす。
「ダガーッッ!!」
突然名前を呼ばれて、ビクッとして声のした方向を見る。
天使かと 思った
純白の 柔らかそうな ワンピースの上に
純白の ファーがついたコート
そして 漆黒の空に向かって 舞い降りる奇跡に向かって 手を伸ばしている姿
周りは銀世界
俺は 今日 一生のうちで 二度目の天使を見た
「ジタン・・・・・・」
肩で息をしながら、彼が近づいてくる。
「・・・・・・・・・・・・」
無言で、ダッフルコートの裾を掴んで引き寄せる。
「・・・んきゃっ・・・・・・!」
ワンテンポ遅れて声が漏れる。彼の体は冷え切っていた。
「・・・・・・っ!!ジタン!ごめんなさい!!こんなに体が・・・・・・!」
「ごめん」
彼の体から離れようと、一歩下がろうとしたが、再び彼の冷たい手に引き寄せられた。
「ごめん」
もう一度、彼が言った。その意味を察して、思わず俯いてしまう。
私が、悪いのに。
いつも、謝らせてばっかり。
「・・・・・・っ・・・ち・・・違うの・・・・・・」
言葉を紡ぐのがやっとで、ちゃんと聞こえていたか分からない。
「私・・・し、嫉妬しちゃう・・・・・・嫌な女なの・・・・・・」
どこからどう話がつながっているのか、自分でも分からない。呂律が回らず、必死に訴えかけても説得力の欠片もない。
「だ、だから・・・嫌われるのが怖かったの・・・!ごめんなさい・・・」
「もういい」
鋭い声で囁かれた。・・・・・・本当に愛想尽かれちゃった・・・・・・。
「おれは・・・・・・・・・嬉しいよ」
「へ・・・・・・?」
予想外の言葉に、拍子抜けした間抜けな声を漏らす。
「嫉妬してくれるってことは・・・・・・それほど大事に想っていてくれているってことだろ。俺は、嬉しい」
「でも・・・・・・」
「嫉妬はさ、誰の心の中にでもあるんだよ。嫉妬する事は、醜いことかもしれないけれど、皆が持っている感情なんだだから、恥ずかしがったり、自嘲する必要はないよ」
彼の、その言葉が嬉しかった。こんなに醜い考えを持っている私を、彼は認めてくれる。
「・・・・・・俺がいけないんだ。ダガーが、今日楽しみにしてくれているって分かっていたのに、独りにしちまってさ・・・・・・」
「え・・・・・・」
「ダガーを喜ばせたくて来たのにな。これじゃあ意味ねーよなぁ・・・・・・」
「ち、違うっ!!」
ジタンに責任を押し付けてしまったような気がして、急いで反論する。と、
額に、暖かい感触。
「・・・・・・・・・・・・っあ!!」
「お詫び」
にこっと、悪戯っぽい微笑を浮かべている。
「ありがとう・・・・・・」
こちらも素直にお礼を言う。よかった。また逢えて。
「あ、そだ。渡したいものがあるんだ・・・・・・」
ごそごそと、コートの中を探り始める。胸のポケットに触ると、表情が明るくなり、いそいそと小さな箱を取り出した。
「はい、これ」
黒い、布で覆われたような小さな箱。昔、見たことがあるような―――――
「開けてみて」
「う、うん」
子供のような笑顔で言われ、素直に箱を開ける。
「・・・・・・・・・!!」
中には指輪が入っていた。ハート型のガーネットを二つに割って、翼のように輝く魔法をかけた指輪だった。
深い意味はないのだろうけれど、とても嬉しい。
「ありがとう・・・!ジタン・・・・・・!」
「実はさ、それ創るために昨日の夜魔法宝石店に行ってたんだ・・・。ダガー喜ばせたくて・・・・・・」
「え・・・・・・」
そうだったんだ。彼は、私の為に、これを作ってくれていたんだ・・・・・・。
なのに私は・・・・・・そんな彼を怒るなんて・・・・・・。
また気分が沈んできた。と、
「はーい!それからこっちにも注目ー!!」
また彼が何かを出そうとしているのを見て、ぽかんと間抜けな顔をして見る。
「じゃーーーーん!」
出てきたのは、ハート型のブルーサファイアを二つに割って、翼のように輝く魔法をかけた―――――ガーネットの指輪の、もう片方だった。
「これ、すごいだろ。ダガーと俺の誕生石で創った、世界に一つしかない指輪なんだぜ!!」
力強い、暖かさを取り戻した指で、私の指輪をはめてくれた。キラリ、と一回輝いたような気がした。
「それで俺の指輪と合わせると・・・・・・」
彼が指輪をはめながら言う。そして、私の指輪にくっつけたとき――――――――――
パァァァン・・・・・・・
下方のツリーから、光が溢れ出した。街灯も、家も、城も、人も、もちろん私と彼も、光に包まれて真っ白になった。
そっと、目を開ける。周りがすごく眩しい。でも、もう大丈夫。
だって私達が輝いているから。
「えっ・・・・・!?」
「びっくりした?ごめんなー。この時間知らせておけばよかった」
「何が・・・・・・起こったの?」
そう問うと、指で下のほうをさした。
「あっ・・・!」
クリスマスツリー自体が、光に包まれていた。
天辺の星から、幾重にも広がる何百という輝き。その輝きは、リンドブルム全体に広がっていた。
「これがガイアで一番大きなクリスマスツリーだよ」
リンドブルムが、輝いて。城壁にまかれた、幾千のオーナメントが揺れて。
リンドブルムが、ガイア一大きなツリーだったんだね。
「ダガー」
しばし景色に見とれていると、彼が私の手を取り、キスをした。
「・・・・・・!!」
「もう、無理しなくていい」
言葉にならない声を上げているうちに、優しい声で彼が私を抱き寄せた。
「寂しいときとか、辛いときとか。遠慮しないで俺に言ってくれ。ずっと。ダガーを守るから」
耳元で囁かれた甘く、優しい言葉。何時も私が救われてばかり。
「うん・・・・・・じゃあわがまま・・・・・・ちょっと聞いて?」
頷くのを確認して、マフラーを掴んでぐいと顔を寄せさせた。
今、私に出来る、精一杯のお返しを。白い雪が降る中、初めてのキスを。
そして願うわ。
―眠れない夜は独りにしないで あの日々の事を思い出すから―
―あとがき―
いや、長いよ。しかもシリアスじゃないし。
いきなり何言ってんだこいつとか思った方すいません。これが本心です。
ティリア様から、またまたキリ番のリクエストを頂いたので!ジタガネは初めてだったんで緊張しましたが。
シリアス指定でしたので。シリアスが初めてだなんて言えませんね。(爆
これシリアスじゃないです。本当にごめんなさいorz
こんなのでよかったら押し付けます(迷惑だ
HITおめでとうございます。
ティリア様のみお持ち帰り可です。ご了承ください。