ATE 森の下僕
「うわああああああっ!」
ぬかるんだ地面を走ったせいで、ビビは顔面から勢いよく転んだ。
「大丈夫っ?」
あとから追いついてきたダガーが慌ててビビの身体を起こす。
「う、うん・・・・・・」
ローブについた泥をはらいながら立ち上がる。
「もう追ってこない・・・?」
来た道に身体をむけ、少しずつ後退する。その過程の中でも腐った枝に足を取られ、何度か転びそうになった。
(やっぱり・・・二年前と同じ・・・・・・ということは・・・・・・・・・)
二年前の記憶を引きずり出しているとき、丁度真上で木々が揺れる音がした。
「!!」
悪寒を感じ取り、その場から一歩後ろに退いた瞬間、ダガーの右足首に一本の腐った触手が絡みついた。
片足の自由を奪われ、地面に背中を打ち付ける。
幸い、ぬかるんでいて痛みは無かったが、その代わりにずぶりと泥に手を飲まれ、すぐには起きられなかった。
「・・・・・・ぅっ・・・!」
まとわりつく泥の不快感に思わずめまいがする。
それでも起き上がろうともがいていると、木々の間からプリゾンゲージが飛び出してきた。
「・・・・・・・・・・・・!!」
二年前とは比べ物にならないほどグロテスクになったプリゾンゲージを見て、おもわず息が詰まる。
身体は赤黒く、体液と泥でぬめぬめしている触手はてかっている。
「おねえちゃんっ!!」
悲鳴に似たビビの叫びに、ダガーは詰まっていた息をやっと吐き出した。
同時に、プリゾンゲージが地面をけり、ダガーに向かって突進してきた。
「・・・・・・前とは違う!なめないでっ!!」
二年前と変わらず自分を狙った事に、少々ながら腹を立て、ダガーは怒りをこめた蹴りを突進してきたプリゾンゲージの額にあたる場所にいれた。
確かにダメージを与えた、ハズだった。
「な・・・・・・・・・・・・・・・・・・!!」
プリゾンゲージの額に、ダガーの足が、足首まで飲み込まれていた。
呆然としているダガーの隙を突き、しゅるしゅると触手を巻きつけ、一気に自身に向かって押し込んだ。
「・・・・・・あっ・・・・・・・・・」